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更年期診療CLIMACTERIC

女性更年期診療

2022.10改訂

保険診療で女性の更年期診療をしています!

当クリニックでは保険診療で女性の更年期診療を10年ほど前から行っています。内科医の私が更年期診療に携わるようになったのは、アンチエイジング医学を学んだことが契機となりました。

女性は40歳過ぎ頃から女性ホルモンが低下し始め、50歳前後で閉経を迎えることになります。女性ホルモンが低下することにより、自律神経のバランスが崩れ、いろいろな体調不良を覚えるようになります。

更年期障害をどのように診断するのでしょうか?

ここに示していますSMIの問診票を使います。40を過ぎて体調不良に陥っている方はチェックしてみて下さい。100点満点で50点以上の点数が出た場合は、何らかの治療が必要ということになります。また当院では女性ホルモンの血中濃度を測定し診断の一助にしています。

どのような治療をするのでしょうか?

3つの方法があります。1つは少なくなった女性ホルモンを補充してあげることです。2つ目は漢方薬で各種症状を緩和することができます。そして3つ目はカウンセリングです。

女性ホルモン補充療法は少なくなった女性ホルモンを補うことで体調を元に戻し、様々な身体の老化を先送りさせることができます。漢方薬だけでも症状は緩和しますが、老化を先送りする事はできません。漢方薬と女性ホルモン補充を併用する場合もあります。もちろん診察の間にいろいろなお話を聞いて、同時にカウンセリングもしています。これらの治療によって多くの人が元気を取り戻していかれます。

ホルモン補充療法(HRT)の利点は?

大きな利点は女性ホルモンの減少からくる、ほてり、発汗、不眠など様々な症状を一括して軽くできることです。骨粗しょう症、脂質異常症の改善など、閉経後の QOL(生活の質) を高めてくれる点も大きな特徴です。

※ホルモン補充療法(Hormone Replacement Therapy=HRT)

HRTの副作用は?

多いものに乳房の張りや痛み、下腹部の痛み、性器出血などがあります。これらは、女性ホルモンの補充に反応して起こるもので、治療を続けるうちにおさまっていきます。また、乳房の張りについては薬の種類や量を調整すれば改善できます。

5年以上続けると、乳がん発生リスクが高まるという報告があります。HRTをしていない人の乳がん発生率は1万人に30人ですが、 HRTをやることにより38人に増加しました。最近ではHRTに使用するプロゲステロンの種類が乳がんには大きく関係していることがわかってきました。2022年より日本でも乳がんリスクが1番低い天然型プロゲステロン( エフメノ) が使用できるようになりました。いずれにしても乳がん検診は毎年受けることが大切です。

乳がん子宮がんの定期検診はどうするのでしょうか?

女性ホルモン補充療法を行っている方には、年に1度乳がん・子宮がんの検診を受けていただきます。当院では乳がん子宮がんの検診はしておりませんので、市内の病院をご紹介しています。女性ホルモン補充療法を行っても乳がん・子宮がんになる可能性は極めて小さいと考えられています。しかし安全に女性ホルモン補充療法を行うために年1回の検診はぜひ受けましょう。

診察を希望される方は午後に受診されることをお勧めいたします。午前中は混み合っていることが多いためです。

更年期や女性ホルモン補充療法についてさらに知りたい方は、下記をご参考にしてください。

院長は日本更年期と加齢のヘルスケア学会北海道支部の支部長をしています。更年期について学べる学会です。会員でない方も支部が開催する勉強会には参加することができます。関心のある方はこちら日本更年期と加齢のヘルスケア学会のホームページにある北海道支部をご覧ください。