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臨床に役立つアンチエイジング食情報を企画いたしました

2021.01.29

興味ある話題が満載です。アンチエイジング医学~日本抗加齢医学会雑誌(メディカルレビュー社)2020年12月号・特集「臨床に役立つアンチエイジング食情報」をぜひお読みください。院長が静岡の田中孝先生と企画しました。

雑誌はメディカルレビュー社でネット購入ができます。

臨床に役立つアンチエイジング食情報ー特集にあたって

  1. 糖化を避けるための食生活~何を食べ、何を食べないか~
  2. 海藻のアンチエイジングパワーを見直そう
  3. 糖質制限食はいつまで続けてよいか
  4. 高齢者の腎機能を保つための食事と生活習慣とは
  5. 健康寿命延伸のための食事
  6. ビタミンCのアンチエイジング効果を見直そう
  7. 内臓(全身)疾患の原因となる歯周病予防の食生活と口腔ケア

「You are what you eat」(あなたはあなたが食べたものでできている)ということわざが英語にある。日本語では医食同源ということであろうか。アンチエイジングの基本は日常的によいものを食することであるが、何を、どのように食するかが問題となる。今回は多方面からアンチエイジングにかかわる食を取り上げ、それぞれの領域のエキスパートにご執筆いただいた。上記のタイトル番号順に企画の意図とメッセージを一言述べる。

(1)食事中の終末糖化産物(AGEs)の7%が体内に吸収されてとどまり、AGEsの多い揚げ物・加工品などの摂取は短命につながる。このように、糖化はアンチエイジングに重要な問題である。日常生活での具体的な糖化対策ついて考えてみた。

(2)海藻は、EPAやDHAのオメガ3脂肪酸を含み、低カロリーで食物繊維が多い。またタンパク質も多く、アミノ酸スコアは100に近い。海外では疾患予防効果をもつスーパーフードとして注目されている。しかし日本での海藻についての関心は薄い。アンチエイジングの視点から海藻を見直してみた。

(3)糖質制限食について、企画者が日頃疑間に思っていることを投げかけ、回答してもらう形でご執筆いただいた。エビデンスに基づく明快な回答をいただいたが、いざ一人の患者さんを目の前にした時にどうするか?患者に利益があれば続けるべきとの結論に納得。

(4)アンチエイジングの臨床現場でも高齢者の腎機能低下は重要な問題である。eGFRがいくつになったら塩分やタンパク質制限を始めるのか、どの程度制限するのか、サルコペニアを合併している場合はどうか、などの日頃の疑間に答えてもらった。

(5)食事には、慢性の炎症を体に引き起こす可能性が高いものと低いものとがある。それは食事炎症指数と呼ばれる。食事そのものが炎症を介して老化に関係しているという。低食事炎症指数の食事をとることが健康寿命延仲の一つの要因であるとのこと。

(6)ビタミンC不足によって活性酸素は増加し、筋肉の萎縮、身体能力の低下を招く。ビタミンCを十分に摂取することで、これらは予防され、抗老化に働く可能性がある。

(7)食は、やはり自分の歯で噛み、美味しくいただきたい。口腔機能の維持には、歯周病予防の食生活と口腔ケアが非常に大切である。

多方面からアンチエイジングに関する食についてご執筆いただいたが、健康長寿の延伸につながる共通した食のヒントを見出していただければ幸いである。(満岡孝雄)