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アンチエイジング情報TIPS
アンチエイジング情報TIPS
2012.02.22
私たちの生体機能やホルモン分泌は、加齢以外にも、季節や月周、日周の影響を受けていることがわかっています。
私たちの体内の状況は、地球の自転や公転などの環境要因に合わせて変化し、対応しています。
これは様々な自然環境に順応するために備わった能力ですが、現代社会では急激な環境の変化などからこの能力が失われつつあり、疾病の原因になることも少なくありません。この体内変化のパターンを知ることで、健康や体調の管理に役立てることができます。
日本人の血中ビタミンD濃度は、季節によって大きく変動します。ビタミンDは食品からの摂取だけでなく、体内のコレステロールが太陽の紫外線に当たり活性型ビタミンD(ビタミンD3)に変化することでも得られます。そのため、日照時間が短くなり、太陽にあまり当たらなくなる冬場には血中ビタミンD濃度は低くなります。
冬に流行するインフルエンザとビタミンDの関係では、次のような興味深い報告もあります。
東京慈恵会医科大学他の共同研究により、高用量のビタミンD3摂取でインフルエンザが予防されたという論文が発表されました(2008年)。この治験には6~15歳の子ども 334名が参加し、ビタミンD3(1200IU)服用群ではインフルエンザ発症率が 10.8%で、ビタミンD3を服用しなかった群の 18.6% に比べ、大きな差があったと報告されました。
四季のある日本では、死亡原因や疾病と季節との間に興味深い関わりがあります。平成16年の厚生労働省による調査では、男女ともに自殺は春が多く、心疾患と脳血管疾患による死亡は冬に増加することが示されました。
夏は、すい臓から分泌される消化酵素のキモトリプシノーゲン、アミラーゼ、リパーゼの働きが低下するために、一般に「夏バテ」と呼ばれる食欲不振になりがちです。しかし、秋にはそれらの消化酵素が活発に働くようになり、食欲が亢進するため「食欲の秋」となるようです。
体内のホルモン分泌量は、様々な要因にコントロール されています。例えば、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンは光に、インスリンは血糖値(食事)に左右されています。また、副腎皮質ホルモンは、体内時計によって支配されています。
睡眠をコントロールするホルモンであるメラトニンは、日没とともに分泌量が上昇し、真夜中にピークを迎えます。また、ライフサイクルでの変化もあり、7歳を過ぎると加齢とともにメラトニンの分泌量は減り、45歳頃からはメラトニンを生成する細胞を失っていきます。それにより、女性は更年期障害を発症したり、男女ともに免疫力が衰え、がんや感染症などの疾病にかかりやすくなるといわれています。さらに、メラトニンの分泌は加齢以外にも、夜間の光、パソコンや携帯電話の電磁場、カフェインの摂取、非ステロイド系鎮痛剤の影響も受けるようです。
【参考】女子栄養大学出版部:時間栄養学、Discover:最先端のアンチ・エイジングの医学、日本医療企画:「病気予防」百科
2012.02ヘルシーパス提供