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更年期診療CLIMACTERIC

男性更年期診療

2022.10改訂

当クリニックでは男性更年期障害の保険診療もしています。

男性更年期障害とは

更年期障害といえば女性のことと思われてきましたが、最近では男性にも更年期があることが認識されてきました。男性更年期障害のことを加齢男性性線機能低下症候群(LOH症候群)と医学的には言っていますが、ここでは一般に使われている男性更年期障害で説明していきます。

女性の場合は月経が不順になってきた場合、更年期に入ったことが自覚できますが、では男性の場合はどうでしょうか。女性の月経に相当する生理が男性にもあるのでしょうか

男性の生理は朝立ち

男性の場合、早朝勃起いわゆる「朝立ち」が男性の生理と言われています。男性ホルモンが十分にある時期は、ほとんど毎日のように朝立ちを自覚します。男性ホルモンが少なくなってくると、朝立ちを自覚する回数が少なくなってきます。週に1回も朝立ちを自覚しなくなると、かなり男性ホルモンは低下していると考えられます。

女性の場合は、閉経の数年前から女性ホルモンが低下しはじめ、卵巣で女性ホルモンが作られなくなると閉経となります。男性の場合には、女性が経験するような閉経はありません。しかし50歳前後から男性も、男性ホルモンが徐々に低下することがわかっています。ストレスが高度に続けば、男性ホルモン低下に拍車がかかり、男性更年期障害に陥りやすくなります。

男性更年期障害の症状

男性更年期障害の症状は、女性の場合と基本的には変わらないのですが、男性の場合にはうつ症状が強く出やすく、また勃起障害を伴います。

自己診断のためにここにAMSの問診票を載せています。自分でチェックしてみて下さい。点数が27点以上では、男性更年期障害の可能性があります。

うつ病などが疑われて精神科を受診されている方も多いと思いますが、精神科的な治療を受けても改善しない場合は、いちど男性ホルモン(遊離テストステロン)の血液濃度を測定して男性更年期障害の可能性をチェックされたらいかがでしょうか。

男性更年期障害の治療

では治療はどうするのでしょうか。保険適応のあるエナルモンデポーという筋肉注射薬を使います。最初の3ヶ月は2週間に1回注射をします。その後は月1回になります。多くはほぼ3ヶ月で症状の改善がみられてきます。

男性ホルモン補充療法(ART)の副作用

前立腺癌には禁忌です。副作用として、量が多い場合は、精子減少、ニキビ、多血症、肝障害、凝固能亢進がおこることがあるので、定期的に採血検査をいたします。

診察を希望される方は午後に受診されることをお勧めいたします。午前中は混み合っていることが多いためです。

さらに詳しいことを知りたい方は院長が執筆しました以下の論文を参考にしてください。

「男性更年期障害」更年期と加齢のヘルスケア13(1):151-158, 2014