医療安全管理体制SAFE CONTROL
医薬品安全使用マニュアル
2007年4月1日
医薬品の安全使用のための業務に関する手順書
本院の「医薬品安全使用マニュアル」を策定し、医薬品の安全使用の徹底を図る。
本院の「医薬品安全管理責任者」は、管理者である院長が兼務する。
1. 医薬品の採用・購入
(1)医薬品の採用にあたっては、医薬品の安全性・取り間違い防止の観点から、下記を踏まえて決定する。
- 一成分一品目を原則とし、採用医薬品は最低限の数とする。
- 同種同効薬と比較検討を行う。
- 類似した名称や外観を持つ薬の採用は、極力回避する。類似薬を採用しなければならない場合は、特に注意を喚起する。
- 充填ミスを防止するため、原則として小包装薬を採用する。
(2)発注の際は、商品名、剤形、規格単位、数量、包装単位、メーカー名を記入する。
(3)購入医薬品の品目・規格・数量が合致しているか、発注伝票に基づき検品する。
(4)「規制医薬品(麻薬、覚せい剤原料、向精神薬、毒薬、劇薬)」及び、「特定生物由来製品(人の血液や組織に由来する原料を用いたもの)」は特に注意し、購入記録の保管を行う。麻薬、覚せい剤原料は、譲渡証の記載事項及び押印を確認し、2年間保管する。
2. 医薬品の管理方法
(1)医薬品の在庫管理、取り間違い防止のため、下記を実施する。
- 医薬品棚は、在庫点検や取り違い防止に配慮して適切に配置する。
- 同一銘柄で複数規格がある医薬品や、名称・外観類似薬は、注意を表記する。
(2)医薬品の補充や充填時のとり間違いを防ぐため、読み上げて確認する。
(3)「規制医薬品(麻薬、覚せい剤原料、向精神薬、毒薬、劇薬)」は、金庫等に保管して常時施錠するなど、盗難・紛失防止措置をとり、法令を遵守した使用記録の作成・保管をおこなう。
(4)「特定生物由来製品(人の血液や組織に由来する原料を用いたもの)」は、カルテ番号、患者氏名、使用日、医薬品名(規格、血液型を含む)、使用製造番号、使用量など、使用記録を作成し、20年間保存する。
(5)処置薬の取扱いは、次の点を遵守する。
- 調整(希釈)日、開封後期限、調整期限、開封日を記載する。
- 開封後の変質、汚染などに留意し、定期的に交換し、継ぎ足しをしない。
- 充填間違いを防止するため、色わけなどに留意する。
3. 投薬指示・調剤
(1)薬剤服用歴の確認
投薬にあたって、薬剤服用歴(既往、副作用、アレルギー)を確認する。
(2)診療録・処方せんを正確に記載する
診療録・処方せんには、必要事項(医療品名、剤形、規格単位、分量、用法、用量等)を正確に記載する。
4. 患者への与薬や服薬指導
(1)下記の患者情報を把握した上で与薬する。
- 患者の既往歴、妊娠、授乳、副作用歴、アレルギー歴
- 小児、高齢者の年齢、体重
- 他科受診、他剤併用
- 嗜好(たばこ、アルコールなど)
(2)患者情報は、与薬に係る全ての部門で把握できるようにする。
(3)検査・処置における医薬品使用についても、緊急時以外は口頭指示をさける。口頭指示を行わざるを得なかった場合も、記録を残す。
(4)与薬にあたっては、下記を励行する。
- 患者氏名、生年月日を確認する。
- 患者の症状(前回投与と同じか等)を確認し、投与内容に誤りがないか点検する。
- 薬剤の実物と薬剤情報提供文書を患者に示しながら説明する。
(5)在宅患者への投与については、薬剤管理が困難な場合が多いことに考慮して、剤形、用法、調剤方法、服薬管理に工夫する。
(6)抗がん剤の投与については、レジメン(投与薬剤、投与量、投与日時などの指示がまとめられた計画書)に基づいて調剤、投与する。
(7)要注意薬については、患者の薬歴管理を行う。
5. 医薬品の安全使用に係わる情報の取り扱い(収集、提供)
(1)患者情報の収集と処方医との情報提供を行う。
(2)経過観察が必要な薬剤の投与にあたっては、投与後の経過観察を行う。
(3)緊急時については、下記に沿って実施する
- 副作用初期症状の確認
- 服用薬剤及び医薬品との関連の確認
- 特定薬剤の血中濃度モニタリング実施
6. 他施設との連携
緊急時のため、連携施設を確保する。