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今さら聞けないシリーズビタミンB2

2021.03.22

エネルギー代謝の中心的な役割を果たす水溶性ビタミンのひとつであるビタミンB2は物質代謝にも関わり、私たちの健康を維持する上で欠かせない栄養素です。今回はビタミンB2についてまとめます。

ビタミンB2とは

ビタミンB2はリボフラビンという化合物で、リボフラビンにリン酸が一つ結合したフラビンモノヌクレオチド(FMN)、それにAMP(アデノシン1リン酸)が結合したフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)の形があります。これらは消化管でリボフラビンにまで消化された後、体内に取り込まれます。

体内では主にFADの形で存在していますが、両者とも、ほとんどの栄養素の代謝に関わる補酵素としての働きがあります。なお、リボフラビン由来の補酵素を使用する酵素はフラビンタンパク質と呼ばれています。

ビタミンB2の働き

酸化還元反応

フラビンには3つの酸化還元状態〔酸化型、セミキノン型(1電子還元型)、還元型(2電子還元型)〕と3つのイオン化状態(陽イオン型、中性型、陰イオン型)があるため、フラビン補酵素は触媒する反応の種類、基質の種類において、触媒型補酵素の中で多様性が群を抜いていると言われています。

酸化還元反応に関わるフラビンタンパク質にはアミノ酸オキシダーゼやアルデヒドデヒドロゲナーゼがあり、前者はFMNを、後者はFADを含みます。また、電子伝達(呼吸)鎖の一部にFADが関わり、エネルギー生産の中心を担っています。さらに、フラビン補酵素はシトクロムP-450とともに薬剤や毒素の代謝にも関わるだけでなく、ビタミンDの活性化などにも関与しています。

抗酸化機能

FAD依存性酵素であるグルタチオン還元酵素はグルタチオンの酸化還元サイクルに関わり、酸化されたグルタチオンを還元します。グルタチオンは細胞に障害を与える活性酸素種(ROS)と反応して抗酸化作用を示すため、リボフラビンが欠乏すると酸化ストレスが上昇します。

ビタミンB2の摂取量

令和元年度の国民健康・栄養調査結果によると、7歳以上の男性はビタミンB2の摂取量が推奨量に満たしていません。特に労働力などで日本を支えている年代(15~69歳)においてビタミンB2の不足が目立ちます。

一般的に、ビタミンB2は単独で不足することは少なく、他のビタミン不足と同時に起こると言われています。食事からの摂取不足の他、疾患(肝疾患、下垂体疾患、糖尿病など)、薬物の影響(テトラサイクリンなどの抗生物質、クロルプロマジンなどの精神安定剤、副腎皮質ホルモン、経口避妊薬を連用した時)などで不足しやすく、不足症状としては成長障害、口角炎、舌炎、咽喉炎、皮膚炎が見られます。さらに、欠乏によって白内障を起こしやすくなることが分かっています。

なお、ビタミンB2は過剰摂取しても尿中に排泄されるため安全性が高く、耐用上限量は設定されていません。

ビタミンB2を多く含む食品と調理の影響

ビタミンB2は、レバー、うなぎ、納豆、卵、アーモンドなどに多く含まれています。調理する場合には過熱による影響をあまり受けませんが、調理時間が長くなるほど残存率が減る傾向にあります。また、茹でる場合には茹で汁への流出が大きいため、茹で汁も摂取できるスープや鍋などの調理法がお勧めです。

【参考】国立研究開発法人・医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報サイト、日本人の食事摂取基準(2020年版)、微量栄養素情報センターサイト、イラストレイテッド ハーパー・生化学【原書29版】、三浦冽、化学と生物 Vol. 42, No. 2, 120-126 (2004)、同仁化学研究所 Dojin news、日本食品標準成分表(2015)、小島彩子 et al., Vitamins (Japan), 91(1), 1-27 (2017)

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