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アンチエイジング情報TIPS

N-アセチルグルコサミン(NAG)の効果

2022.08.24

「N-アセチルグルコサミン(NAG)」は膝関節以外にも美容にも効果が期待できる素材として人気があります。最近では、低用量(500mg~)でのエビデンスや胃壁、腸内環境への効果の情報もあり、さらに注目されています。

NAGとは

糖の一種であるグルコサミンからグルコサミン6-リン酸を経て合成されるアミノ糖です。ヒトの体内では関節成分の軟骨や関節液、皮膚、眼球、脳などに含まれており、細胞と細胞をつないだり、細胞間の情報を伝達する成分です

また、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸を生成し、ひざ軟骨の維持・再生を促して関節痛を和らげる効果や美容への効果が期待されている素材です。

グルコサミンとNAGの違い

グルコサミンやNAGは体内組織に運ばれて利用されますが、その際に利用される割合が高いほど、効果が期待できると言われています。

グルコサミン

体内では糖タンパク質のような複合糖質のN-アセチル誘導体として存在しています。一般的なサプリメントなどに配合されているグルコサミンはグルコサミン塩酸塩ですが、これは、体内に吸収された後、NAGに変換してから利用されるため、利用割合が低いとされています。

NAG

体内ではグルコサミンから生成されます。

食品中のNAGは、元々体内に存在するものと同じ形であるため、摂取後にそのまま利用することができます。そのため利用割合は通常のグルコサミンよりも約3倍も高いことが知られています。

NAGの効果

グルコサミンといえば関節に良いという印象が強いですが、最近では幅広い分野で注目されています。

美容効果

乾燥肌に悩んでいる女性39名に、NAG500mg含有乳飲料、ヒアルロン酸50mg含有乳飲料、プラセボ乳飲料のいずれかを摂取させ8週間後の肌の状態を調べたところ、NAG含有乳飲料摂取群で最も肌の乾燥所見の改善度が高く、肌の水分量も改善されました。2)

乾燥肌で肌荒れ傾向にある女性22名を、NAG1000mg含有食品摂取群とプラセボ群に分け、8週間後の肌の状態を調べたところ、NAG含有食品摂取群では肌の乾燥を有意に改善し、肌の水分量を増加させる働きが見られました。また、肌の滑らかさや鱗屑の改善効果も確認されており、NAGの継続的摂取は美肌効果につながると考えられます。3)

関節のお悩み

ひざ関節に違和感のある20歳〜70歳の男女を、NAG500mg摂取群(49名)とプラセボ群(49名)に分け、12週間後のJOAスコア※などを比較しました。

その結果、NAG500mg摂取群は摂取12週間後においてプラセボ群と比較し、有意な症状の改善が認められました。4)

そのほか、動物実験の段階ではありますが、ピロリ菌を抑制し、胃の炎症を抑える効果や腸内環境を整える効果も期待できる可能性が示唆されています。(特許第5035787号「α-1,4結合型アセチルグルコサミン含有O-グリカン型糖鎖の分泌促進剤並びにこれを含有するヘリコバクター・ピロリ菌を原因とする病態の治療予防剤」)

最適な摂取量は?

NAGの摂取量の目安は明確に定められていませんが、最近のヒト試験の結果を考慮すると1日500〜1000mg程度の摂取が適切だろうと考えられます。NAGを摂取できる食品は、カニやエビといった甲殻類、乳製品などがあげられますが、食品の含有量が元々少ないので、上記の量を食品だけで摂取することは難しいです。

最近はいろいろな種類のサプリメントや含有食品が登場していますので、自分に合った形状の商品を選ぶことができます。いつまでも健康で若々しい体や肌を維持するために、上手に摂取できるように意識してみてはいかがでしょうか。

【参考】
1)焼津水産化学工業(株)HP
2)Shibata K .et,al Aesthetic Dermatologo,18,91-99 2008
3)梶本修身 .et,al 新薬と臨床 J.New Rem. & Clin.Vol 49 P539-548 2000
4)久保村大樹 応用薬理 99 P71-77 2020
5)国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研 究所「健康食品」の安全性・有効性情報

2022.08ヘルシーパス提供

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