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アンチエイジング情報TIPS
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ビタミンCは、良く知られているビタミンで、サプリメントとしても広く利用されています。1954年にノーベル化学賞を受賞したライナス・ポーリング博士のビタミンC大量療法が有名ですが、近年、高濃度ビタミンC点滴療法が、ガン治療、美容目的で注目を集めています。
ビタミンCの最大の役割は、結合組織、および、関節に必要なコラーゲンの生合成で、ビタミンCが欠乏すると、コラーゲン合成が障害され、血管がもろくなり、壊血病になります。ビタミンCの化学名である「ascorbic acid」は、壊血病 (scorbutic) に由来します。
ビタミンCは、アセロラ果汁、レモン、グレープフルーツ、イチゴ等の果物に多く含まれています。
ビタミンCは、コラーゲンの生合成以外にも、フリーラジカルを消去する還元剤(抗酸化物質)として働いています。また、鉄の吸収促進、カルニチンの生合成、神経伝達物質の生合成、ビタミンEのリサイクル作用もあります。ビタミンCは、腸管からの吸収率が摂取量によって調節されることから毒性は低く、1日10gのビタミンC投与を1年以上続けても、有害事象を認めなかったプラセボ対照比較試験の結果もあります。過剰摂取の害といえるものは、下痢などの胃腸障害ですが、多くは一過性のものであり、摂取を中止するか、用量を減らすことで消失します。
ビタミンCには、次のような欠乏症が知られています。
だるい、疲れやすい、風邪をひきやすい、出血しやすい、貧血、感染症への抵抗力が落ちる、食欲不振
ふさぎこむ、うつ、無気力、イライラ、興奮しやすい
シミ・ソバカスが濃くなる、ハリがない、タルミ・シワ、ニキビが悪化、乾燥肌
歯茎が赤く腫れる・出血する、歯槽膿漏
筋肉が弱る、痛む、椎間板が減る、関節が痛む、骨折しやすい、骨粗鬆症
ビタミンCは、美肌ビタミンとしても知られています。肌のコラーゲン生成以外にも、メラニンを酸化型(黒)から還元型(白)に換える働きをしているため、美白効果(シミ対策)が期待できます。また、ビタミンCには、紫外線から細胞膜や遺伝子を守る働きもあり、まさに美肌・美容のためのビタミンともいえます。
ビタミンC大量療法は、近年、がんの代替療法として、改めて注目されています。がん患者の場合、がんという病気自体でビタミンCが減少するほか、食事からの摂取量の減少、吸収・利用率の低下、入院生活によるストレス、放射線療法、抗がん剤の服用による薬物代謝の増加など、がん患者の血中ビタミンC濃度が減少する要因が多数あります。そのため、ビタミンCの血漿濃度を上げ、防御機能を高めておくとともに、ビタミンCの薬理効果である抗ガン作用に期待しようと、ビタミンCを点滴、あるいは経口で大量に投与する治療法が行われています。
前述のように、ビタミンCは一度に多く摂取すると吸収率が落ち、余剰分は尿として排泄されてしまいます。ビタミンCの血漿濃度は,およそ400mg/日で飽和するとも報告されており、経口摂取だけではがんに有効性を発揮する濃度には達することができないと考えられています。そのため、ビタミンCの抗ガン作用を期待するには、点滴で一気にビタミンCの血漿濃度を上げる方法が行われています。
大量のビタミンCを摂取すると、尿中に排泄されるシュウ酸が増大し、シュウ酸カルシウム結石のリスクが高くなると言われたことがあります。しかし、ヒトではビタミンCからシュウ酸ができる代謝経路は、主経路ではないこと、また、実際に大量のビタミンCを経口摂取しても尿中に排泄されるシュウ酸量が有意に増加しないことが分かっており、現在では、ビタミンCによって結石のリスクが高くなることは否定されています。
サプリメントに使用されるビタミンCの原料には、果汁由来、アスコルビン酸、アスコルビン酸Ca、アスコルビン酸グルコシド等があり、それぞれ、吸収速度や体内での滞留時間が異なります。そのため、複数の原料を組み合わせることで、タイムリリース効果を期待することができます。ビタミンCのサプリメントを選ぶ際には、どの原料を使用しているのかにも注目してください。
【参考】ビタミン・ミネラルの安全性 第2版 第一出版、日本人の食事摂取基準2010年版 第一出版、ビタミン72巻10号(10月)1998:日本ビタミン学会
2010.04ヘルシーパス提供