- HOME
- アンチエイジング情報
- 歯周病と生活習慣病、栄養素の関係
アンチエイジング情報TIPS
アンチエイジング情報TIPS
歯周病は、心疾患、糖尿病、骨粗鬆症などの重大な疾患との関連も注目されています。そのため、メンテナンスや栄養の補給で、口腔内を健康に保つことは、QOL の向上につながります。
歯周病とは、歯周組織が歯垢(プラーク)に含まれている『歯周病菌』に感染し、歯肉(歯茎)が腫れたり、出血したり、最終的には歯が抜けてしまうなど「歯周組織に見られる疾患群の総称」と定義されます。歯周病の初期では自覚症状がほとんどないので気が付かない方も多いのですが、日本人(成人)の7~8割が歯周病に罹っているともいわれています。
歯周病が進行して歯肉の炎症がひどくなると、歯周病菌や歯周病菌の出す毒素(LPS:リポ多糖)が歯肉の血管に入り込み、体全体を巡るようになります。これらが血管に入ると、血管内で炎症を起こし、血栓をつくります。また、一部の歯周病菌は、血小板に異常を起こし、血栓が血管壁にこびりつくようになります。このようにしてできた血栓の影響で、心臓の血管が狭くなってくると狭心症となり、完全に詰まってしまうと心筋梗塞になります。
歯周病と糖尿病はお互いに影響し合っています。
糖尿病は、免疫力を低下させたり歯ぐきの血流を悪化させることで、歯ぐきの炎症を起こしやすくし、歯周病を発症、悪化させます。
逆に、歯周病は、炎症性サイトカイン「TNF-α」を発生させます。「TNF-α」は、インスリンの働きを妨げるので、血糖値のコントロールが難しくなり、糖尿病を悪化させてしまいます。
糖尿病と歯周病は、歯ぐきの炎症と「TNF-α」の放出の悪循環を繰り返し、両方を悪化させてしまいます。
更年期以降の女性に多い骨粗鬆症ですが、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が低下すると、歯を支える歯槽骨の骨密度にも影響を及ぼし、歯周病を悪化させます。
コラーゲン繊維は歯ぐきの大切な構成要素のひとつで、歯と歯ぐきと歯槽骨を結びつける役割を果たしています。歯周病に罹ると歯ぐきの弾力性がなくなり、歯ぐきが下がったり、歯周ポケットが深くなりますが、これは、歯ぐきの構成成分であるコラーゲンが分解されるためです。コラーゲンや歯槽骨組織の破壊も、歯周病菌の出す毒素(LPS)によって引き起こされます。
ホモシステインは、必須アミノ酸のひとつであるメチオニンの代謝における中間生成物で、動脈硬化の原因の一つとして注目されています。近年、東京慈恵会医科大学の斎藤充先生の研究で、ホモシステインは良質な骨に必要な「コラーゲンの網目構造形成」を阻害し、骨の質を低下させることが分かってきました。
そのため、血中のホモシステイン値を低下させる「ビタミンB6」「ビタミンB12」「葉酸」の適切な量の摂取は、コラーゲンの質を改善し、歯ぐきの健康にも役立つと考えられます。
抗酸化物質であるビタミンCは、免疫力を向上させ、歯周病予防に役立つだけでなく、コラーゲン生成の為に必須の栄養素です。傷の治りを早くするので、抜歯やインプラント挿入後のケアにも注目です。
血中ホモシステイン値を低下させ、良質なコラーゲンを保ち、骨や歯ぐきの健康を維持します。
カルシウム、マグネシウムは、歯や骨の主要な構成要素で、ビタミンD、Kも骨密度、骨の生成に不可欠な成分です。また、カルシウム、マグネシウムには、唾液の緩衝能、再石灰化促進作用もあり、虫歯予防にも役立ちます。
プロリン、リジン、グリシンは、コラーゲンの構成原料として重要です。
水銀等、体内の有害重金属の排泄(デトックス)促進は、これらの硫黄化合物が役立ちます。
【参考】日本歯周病学会、日本臨床歯周病学会、歯周病予防研究会ホームページ
2010.08ヘルシーパス提供