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天然甘味料:ステビアについて

2015.03.30

天然由来の甘味料としてステビア甘味料かが改めて注目されています。今回はステビアとはどのような甘味料素材なのかについてご紹介いたします。

注目の甘味料、コカ・コーラ社も採用

昨年、コカ・コーラ社が植物由来の天然甘味料であるステビアを採用した新しい商品「コカ・コーラライフ」を欧米で発売する等、ステビアが世界的に注目を浴びています(日本では2015/3/9発売)。近年、合成甘味料であるアスパルテームやアセスルファムK等がよく使用されていますが、これらは自然界には存在しない化学合成物質であるため、食品への使用は認められているものの、その安全性を疑問視する人も少なくありません。

そういった中、ステビア甘味料は「低カロリー」「天然由来」「虫歯菌のエサにならない」「低価格で砂糖より甘い」といった様々な理由から、アメリカの専門家は「世界的な甘味料市場の約20〜30%をステビアが取って代わるのでは」と話しているほど成長している素材です。

日本育ちのステビア甘味料

ステビア(学名:Stevia rebaudiana)は南米の一部に自生するキク科の植物です。甘味料としてのステビアは154種以上存在するステビア属中の1種の葉から抽出され、その糖度は砂糖の約200〜300倍であると言われています。もともとパラグアイでマテ茶を甘くするために利用されていたようですが、日本の企業が大規模栽培や品種改良を成功させ商業化されたと知られています。

ステビア甘味料は安全?

ステビアの甘味主成分はステビオサイド(stevioside)とレバウディオサイドA(rebaudioside A:Reb-A)で、Reb-Aは2008年にアメリカFDAでGRAS物質(一般的に安全な添加物)として認められました。日本の厚生労働省の調査でも、様々な調査結果を受けて食品への添加が認められています。

それ以前にも国際的な基準としてステビア抽出物(ステビオール配糖体)の一日の許容量(ADI:人が毎日摂取し続けても健康に影響をおよぼさない量)を「4mg/kg体重」とJECFA(国連食品農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)の合同委員会)が定めました。

実際に一般消費者がどれほど摂取しているか?について厚生労働省が調査した結果、ステビア抽出物の平均摂取量は1日の摂取許容上限量を大きく下回る結果となりました。

食品添加物の1日摂取量と1日摂取許容量(ADI)※1
食品添加物(甘味料)1日の※2摂取許容量1日の平均摂取量
ステビア抽出物【天然】234mg0.387mg
アスパルテーム【合成】2344mg0.019mg
アセスルファムK【合成】879mg2.412mg
スクラロース【合成】879mg0.904mg
*1 H23年度甘味料マーケットバスケット調査より
*2 ADIの上限量×体重58.6kgで計算(20歳以上の平均体重)

有効性と副作用

基本的に甘味料として少量の経口摂取は問題ないとされています。しかし、アナフィラキシー反応の報告もあるため、キク科植物に敏感な方は特に注意が必要です。また、腹部膨満感、悪心等を経験する方がいるとの報告例もあります。一方で、血圧降下作用や血糖降下作用(750〜1,000mg/日摂取)も報告されており、さらなる有効性に関しても研究が進められています(※血糖降下薬、降圧剤等との併用はおすすめできません)。

問題は味?

ステビア甘味料が今まで定着しなかった理由の一つに味の問題があります。ステビアの味は後にまったりと引く強い甘さが特徴的で、特にスッキリとした味を求める清涼飲料水には不向きでした。大塚製薬がいち早く1990年に「ポカリスエットステビア」を発売しましたが、合成甘味料のスクラロースも配合していました(2007年に終売)。今回新発売となる「コカ・コーラライフ」も、実はステビアと砂糖で味付けされています。甘味料としては魅力的なステビアですが、味の印象といった開発の観点から見ると大変悩ましい素材です。

【参考】日本コカ・コーラ(株)HP、日本ステビア工業会HP、守田化学工業(株)HP、ナチュラルメディシン・データベース 健康食品・サプリメント[成分]のすべて、国立健康・栄養研究所HP、KEGG、厚生労働省HP「食品添加物のよくある質問」、Official Magagine of SuppleSide「INSIDER」Sep / Oct 2014

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