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アンチエイジング情報TIPS
アンチエイジング情報TIPS
2015.08.10
ビタミン・ミネラルを個人の判断などで過剰に摂ってしまった場合、どのような健康被害が起こりうるのか、またその摂取量はどれくらいなのか、についてまとめました。今回はビタミンについてご紹介します。
ビタミンの摂取により、栄養不足が原因の不定愁訴等の改善や疾病予防が期待できる一方、過剰摂取には注意が必要です。厚生労働省が発行している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、「耐容上限量」という「過剰摂取による健康被害リスクの可能性が考えられる量」を定めており、その数値は実際に健康被害が報告された摂取量等から算出されています。
耐容上限量 | 健康障害非発現量(NOAEL) | 最低健康障害発現量(LOAEL) |
2,700 | 6,000 | 13,500 |
1988年の報告で、3人の家族が6,000〜13,500μgRAEのビタミンAを7〜10年間摂取し、うち1名の肝臓の生体検査を行ったところ、ビタミンAの毒性によると思われる肝障害が認められた(Hepatology 1988;8:272-5)との報告を受け、厚生労働省は最低健康障害発現量を13,500μgRAEとし、不確実性因子を5として耐容上限量を2,700μgRAEに定めました。
ビタミンの摂取により疾病が起こったと報告された最低量(最低健康障害発現量:LOAEL)を中心に、実際にビタミン類を過剰に摂取した場合、どのような障害が起こるのか?について、世界中の被験者たちが体を張って調べた報告を表にまとめました。
日々の摂取量は、以下の値にできるだけ近づかないことが望ましいとされています。なお、以下の報告よりも少ない摂取量でも個人により障害が現れる可能性は考えられますのでご注意ください。
このように日本とアメリカでも設定値が大きく異なるのは、どの文献を参考にしたのか?の違いであると言えます。また、疾病の治療等には大量投与が有効である場合もありますので、過剰摂取の可能性も加味しながら摂取量をコントロールしていく事が大切です。
また、水溶性ビタミンよりも脂溶性ビタミンは蓄積性が高いため、過剰摂取にはより気をつける必要があります。
【参考】日本人の食事摂取基準(2015年版)、第3版ビタミン・ミネラルの安全性
2015.07ヘルシーパス提供