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脱毛症と栄養について

2016.03.03

加齢とともに脱毛が進んでいくことはよく知られていますが、加齢以外の原因でも脱毛は生じます。

今回は、いくつかの脱毛の原因と発生のメカニズム、更に脱毛症に良いと言われている栄養素の紹介をいたします。

脱毛症とは?

脱毛症(Alopecia)とは、毛髪などの毛が以前に比べて細くなったり、生えなくなったりする症状を指します。

発症頻度が高いのは、毛髪が十分に成長しない「男性型脱毛症」と自己免疫疾患のひとつと言われている「円形脱毛症」や「びまん性脱毛症」です。

メルク・アンド・カンパニー「AGA-news」

毛髪の構造

毛髪に関わらず、人間の全ての毛は基本的に同じ構造をしています。

毛の深部に毛細血管から酸素や栄養素が運ばれ、それらを用いて増殖や分化を繰り返して毛が作られ、時間をかけて皮膚の上部に押し上げられていきます。

男性型脱毛症(AGA)

毛の成長にもサイクルがあり、1本の毛が作られ始めてから自然に抜けるまで数年かかると言われています。

しかし、「男性型脱毛症(AGA)」ではそのサイクルが非常に短く、完全に成長しきる前に毛球が弱るため、毛が産毛のように細く軟らかくなり、全体として薄くなったように見えるのが特徴です。最近では女性でも AGA が増えているとの報告もあります。

AGA では、毛乳頭細胞の受容体にテストステロンが結合することで、毛乳頭細胞が毛母細胞の増殖を抑え、毛の成長が抑制されると言われています。前頭から頭頂の細胞には、テストステロンをより活性が強いジヒドロテストステロン(DHT)に変換させる酵素(5α-レダクターゼ)が多く存在するため、額の生え際から頭頂部にかけて軟毛化が起こりやすくなります。

薬剤として、この DHT の産生を抑えるフィナステリド(内服)や血管拡張剤のミノキシジル(国内では塗布剤)が有効と言われていますが、男性機能低下等の副作用が知られています。健康な毛髪を維持するためには、毛細血管から運ばれるタンパク質やビタミン・ミネラル等の栄養素が十分にあること、細胞の機能が低下する原因となる喫煙、過度のアルコール摂取やストレスを緩和させるビタミンCやビタミンE等の抗酸化物質を積極的に摂取することが重要です。

円形性脱毛症(AA)

毛が円形に抜けてしまう他に、頭全体や全身が脱毛することもあります。根本的な原因は不明ですが、リンパ球が毛根を過剰に攻撃することで健康な毛が作られなくなると考えられています。リンパ球の反応が治まると毛根が再生するため、自然回復することも多くあります。

亜鉛

15名のAA患者に亜鉛45mg×3回/日摂取させたところ、6か月以内に発毛が確認されました。

ビオチン

平均年齢9歳の18名のAA患者のうち、亜鉛33mg、ビオチン20mgと0.025%の副腎皮質ホルモン剤(プロピオン酸クロベタゾール)を塗布した患者は、糖質コルチコイドを処方された患者よりも発毛していたとの報告がされました。

また、このような自己免疫疾患では腸における免疫機能が低下している場合もあるため、ビフィズス菌等で腸内環境を整えることもおすすめです。

びまん性脱毛症(DA)

AGAと異なり、頭全体の毛が均等に薄くなっていくように見えます。栄養不足が原因となることも多いため、栄養療法により回復したとの報告もあります。

タンパク質

2〜5か月に及ぶ激しいダイエットによるタンパク質不足により、DAが発症した例があります。

DA患者である50名(女性)のうち72%が鉄不足(低フェリチン濃度)と診断される等、DAと鉄濃度が関係しているという報告があります。一方AGA患者では男女問わず鉄不足は見られないようです。

その他、亜鉛、必須脂肪酸、ビオチン、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、アミノ酸、ビタミンAなども有効であると言われています。

【参考】日本臨床毛髪学会サイト、メルク・アンド・カンパニーサイト「AGA-news」、特定非営利活動法人 標準医療情報センターサイト、日本医学育毛協会サイト、GABY:Nutritional Medicine

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