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酸化した油から体を守るには?

2016.06.02

αリノレン酸やEPA、DHA等の不飽和脂肪酸は酸化され生体内で悪影響を及ぼすことがあります。今回は油の酸化を防ぐ栄養成分や体内に存在する抗酸化成分について、また抗酸化物質摂取による有効性をご紹介いたします。

体に良い油は酸化して悪影響を及ぼす

不飽和脂肪酸は酸化しやすいため、生体に対し悪影響を及ぼし、動脈硬化や認知症の発症原因の一つになると考えられていますが、どうすれば脂質を酸化から守り、疾患を防ぐことができるでしょうか?

食品中の油を酸化させない

食品中に含まれる油を酸化させないために、いわゆる抗酸化剤が添加されます。抗酸化剤で代表的なものは、ビタミンE(トコフェロール)で、ビタミンEのなかでも抗酸化作用が強いαトコフェロールは、食用油、特にひまわり油、米ぬか油、サフラワー油に多く含まれます(約25mg〜40mg/100g)。このほかにもビタミンA(カロテノイド類)、ビタミンC、ポリフェノール類などが天然の抗酸化成分です。

生体内の脂質を酸化させない

生体内にも予防的に抗酸化作用を発揮するSOD、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼといった抗酸化酵素が存在します。またビリルビンや尿酸、CoQ10も生体内に存在する抗酸化物質です。更に、食品中に含まれる上記成分も体内に吸収されて抗酸化作用を発揮します。

DHAは生体内で抗酸化作用を発揮する

DHAは不飽和脂肪酸であり酸化しやすい脂質です。しかし生体内ではDHAはn-6系脂肪酸よりも安定であり、脂質酸化を受けにくく、むしろ活性酸素を消去する物質として働くことで、過酸化脂質を低下させるという報告があります(J.Nutr 1995;125;1652S-1656S)。

認知症の発症原因タンパクの1つであるβ-アミロイドタンパクの蓄積の促進に脂質過酸化反応が関与しているとの報告もあり、DHAの抗酸化作用による神経細胞保護作用は、アルツハイマー病を予防・治療できる可能性があります(J Neurosci 2001;21;4183-4187)。

抗酸化物質は組合せて効果を発揮する

ビタミンCはビタミンEとともに存在することで抗酸化作用をより発揮することはよく知られていますが、ある種のポリフェノールが存在することで更に抗酸化 作用は強化されます。例えば、フランス海岸松樹皮エキスと呼ばれている成分は、SOD、グルタチオンペルオキシダーゼ、カタラーゼの発現量を増やし、また抗酸化成分の働きを維持する作用があります。

生体内酸化ストレス度の測定方法

生体内の酸化ストレス度は8-OHdG(酸化ストレスによるDNA 障害の指標)、d-ROMs(活性酸素による初期生成物のヒドロペルオキシドを測定)などさまざまな方法で測定することができます。当社ではヒドロペルオキシド量が測定できるアークレイ社製装置(スポットケムTM IM SI-3511)を用いて酸化ストレス度の高い3名が当社「スーパーアンチオキシダント」(VC、VE、グルタチオン、CoQ10、ピクノジェノール®配合)を3か月摂取したところ、3名とも 酸化ストレス度は減少し、サプリメントの有効性が示唆されました。

酸化ストレス度

リン脂質ヒドロペルオキキド 構造式

コラム:トランス脂肪酸について

一般的には、不飽和脂肪酸の酸化安定性を高めるために人工的に水素を添加し飽和脂肪酸の割合を増やした油脂(マーガリンやショートニング)を指します。欧米では動脈硬化性疾患の発症リスクを高めるため規制の対象となっています。オレイン酸のトランス型であるエライジン酸の日本人の血中濃度は年齢と逆相関し、動脈硬化惹起性リポタンパク濃度(LDL-C、TG、RLP-C)と正相関しています。これらの結果から、若年層の冠動脈疾患患者でトランス脂肪酸濃度が高いことが明らかになり、若年層での冠動脈疾患発症原因としてトランス脂肪酸摂取量が多いことが一因であると考えられます(Circulation Journal 2015)。

2016.02ヘルシーパス提供

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